あれ? もしかして、わたし、花モチーフのものが好きなのかも。
ある時、気づいてしまった。自分の身の周りには花柄、花モチーフのものが多いことを。
それまでどちらかというとインダストリアルな道具やハンサムなものを好んでおり、一時はプロフィールにもそんなようなことを織り交ぜていたこともあったのに。ユニセックスなものが好きなのだ、と思い込んでいたのですが、いつのまにかかわいい花にまつわるものに囲まれています。
特に気に掛けて集めていたわけではないのですが、国内外の蚤の市でも花モチーフのものが目に入りやすくいつのまにか花柄ばっかり、みたいなことになっています。
「好きな花柄」という定義はしっかりとあって、自分の中の花フィルターに引っかかったものたちが揃っています。どんな花柄が好みかうまく言葉で説明できないのですが、共通しているのは、ノスタルジックであることのような気がします。あとは水彩画のようなタッチのものが特に好みです。
今回はお気に入りの花ものたちを紹介します。
パリで見つけたデッサン
こういったタッチの水彩画は特に惹かれます。絵を描きたいのにまったく絵心がないので永遠の憧れです。これはパリのヴァンヴで手持ちのお金が尽きてしまう中、他にもたくさん欲しい絵があったのですが泣く泣くオーディションして選んだもの。アネモネの花びらの柔らかさがとてもかわいいです。
刺繍のハンカチ
ヴィンテージの買い付けをしている友人のCOVINさんがプレゼントしてくれたもの。彼女はいつも「なんか、れいちゃんっぽい」みたいな感覚を持っていて好みをとてもよく理解してくれています。これは気まぐれなのかルールのない配置で刺繍されているお花が愛らしく、刺繍した人の癖や気分を想像する楽しさもあります。
チューリップのグラス
これは東京のお花屋さんで見つけたもの。そのお花屋さんはオーナーが買い付けてきたさまざまな花器にお花が生けてあります。「花好きだから自然と花モチーフのものが集まってきてしまう」とのこと。どこか懐かしさも感じるかわいいグラスです。
花のポストカードや種袋
海外のどこの蚤の市に行っても必ず紙モノの束を探します。たくさんのポストカードの中から1枚1枚探して、好みのものを見つけるのが楽しいです。花の他にも動物や山が描かれているものを見つけると嬉しくなります。水彩画のようなタッチのものが好みです。ポストカードは小道具としても大活躍します。
こちらは種袋。大きさもポチ袋ぐらいのサイズでかわいい。
花柄のワンピース
これはわたしの持っている中のベストオブ花柄ワンピースです。シルク素材でとろんとした落ち感も花柄の感じも襟の形も、どこをとってもいちばんでとても大切にしています。TOROのイレギュラーというリメイクを施したもので、背中には大きなワッペンがついています。このワッペンが可憐な雰囲気のワンピースにはずしを与えてくれていて、その塩梅がとても気に入っています。
小さなお花のピアス
イギリスの60年代のもので、小さなルビーのお花とエメラルドの葉っぱがとても可愛く一目惚れしました。さらりとした黒いワンピースなどシンプルなお洋服に合わせたいな、と思っていますが少し可愛すぎな気がして未だ鑑賞用になってしまっています……。
花柄のカップ
小花柄のものはフィンランドに訪れた際にアラビアのものを多く扱うヴィンテージショップで見つけました。アラビアのものはどっしりとしていたり、丈夫なものをよく目にしていたのでこんなに繊細な陶器のものがあるんだ、と驚きました。
右のものはラトビアのもの。ものすごく街外れのガラクタが売られている、一人だったらぜったいに足を踏み入れられないような場所に連れて行ってもらい、そこで掘り出しました。ラトビアのものはフィンランドのものよりも無骨で旧ソビエト時代に製造されていたものです。RPR(リガ陶器工場)のマークが入っており、金色の縁が特徴的です。同じ花柄でも雰囲気が全く違います。
カップがなくてソーサーだけのものもたくさん。お菓子を盛ったり、鉢植えの受け皿にしたり、アクセサリーを置いたりして活躍しています。
カルトナージュ
布貼りの箱も見つけるとつい手に取ってしまうものの1つです。細長いものはグローブを入れていたもの、とこれもまた友人のCOVINさんが教えてくれました。それぞれの箱の形には意味があるようで同じサイズのものをよく目にします。ビーズやボタンなど日々集まる手芸用品を入れるのに使っています。
もうだいぶお花でお腹がいっぱいですが、さらに旅で出会ったお花たち。
ドイツで撮った薔薇の花。これは泊まらせてもらった知り合いのアパートの階段にあったもの。とても大きくて。よく見たら紙でできていました。
これもドイツ。この等間隔に並んでいるお花がかわいくて。
これはフィンランドにて。ホームステイをしたお宅がアートスクールの先生だったため、家中、素敵なハンドメイドで溢れていました。こちらはトイレのタイルにペイントしたそう。
こちらも同じくフィンランド。ハンドメイドのニットは北欧らしい柄で昔、子供に着せていたそう。大切にとってあるものを見せてもらえて嬉しかったのを覚えています。
こちらはイギリス。かわいい人が住んでいるに違いない窓辺。
海外でも日本でも気づくと花モチーフハンターと化しています。
他にも花柄の布も刺繍も山ほど、カップもプレートも、もういつ使うんだろう、というほどありますがこれからも増え続けてしまいそう。好きなものに囲まれている生活はしあわせなものです。
(つづく)
荻野玲子
東京都出身。2013年、岡尾美代子氏に師事後独立。ファッション、雑貨、インテリアなど暮らしまわりのスタイリングで活動中。猫2匹と手芸が日々の癒し。春に計画していることに向けて準備中。お知らせ出来るようにがんばります。
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my essentials by Reiko Ogino
#01 もの好きのはじまり
#02 花ホリック
#03 愛しのフィンランド
#04 作り手と持ち主の気配
#05 自分を整えるためのもの
#06 “あたたかさ” を感じるもの
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Text & Photo:Reiko Ogino
Edit:Yuki Akase