journal, columnmy essentials by Reiko Ogino

#01 もの好きのはじまり

はじめまして。スタイリストの荻野と申します。ファッション、雑貨、インテリア、お料理の器、など生活まわりのスタイリングを中心に活動しています。

幼い頃から雑貨が大好きで家は長年蓄積された大切なもので溢れています。片付けがとびきり上手なわけではないので、それらを眺めては「あぁもっと大事にしてあげたい」と思う日々です。中には「そうだそうだ、こんなのあったなあ!」なんてものもあるけれど、決しておざなりにしているわけではないんだよと愛でているつもりです。

この機会をいただいた時に、自分の「もの」好きはいつから始まったんだろう、と思い返しました。記憶の中だと、私の「もの」好きは幼稚園の頃から始まっていたように思います。趣味に関して言えば、祖母と母を足してまるっと落とし込んだのが私だな、と思うほど2人の影響を存分に受けて生きています。

近所に住んでいた祖母の家にはいつも最新のものがあって、当時流行ったハイテックCの0.3mmのボールペンとか、珍しい切手、旅先で買ってきた人形やオブジェ、キーホルダーなど文房具をはじめ、小学生の私の目をらんらんとさせるもので溢れていました。

銀座の伊東屋に祖母と出掛けるのが何よりも楽しみだったし、記念切手を集めていた祖母は私にもストックブックを用意してくれて、その時々に集めた記念切手を分けてくれました。大人になった今では、海外の蚤の市で買った切手や代々木の切手センターで買ったものなどを入れています。


ブルーのケースに赤い本体の配色が当時からとても好きです。


祖母は何の切手か書き込んでくれているものもあり、またその文字が達筆で大人になったらこんなにきれいな文字が書けるようになるものだと思っていました。


今では自分で集めた趣味に偏りのあるものばかり。左上のオーロラが描かれているものは特にお気に入り。

そして母は大の手芸好きで、私たち姉妹の洋服やビーズでアクセサリーを作ったり、パッチワークや編み物、刺繍、手芸全般が得意な人です。妹とそれぞれ持っていたリカちゃんやジェニーちゃんのお洋服もよく作ってくれました。

ドールハウスも大好きでミニチュアのものを少しずつコレクションしており、それをたまに嬉しそうに見せびらかしてくる母は今でも変わらず、時々実家に帰ると「ねえ、これ見て」とミニチュアコレクションを少女のような笑顔で見せてきます。


母は白い食器に青い模様のものが特に好きで何かと集めています。




こちらのシルバーのシリーズはきちんとずっしりとした重みがあって、若かりし頃の母はお給料が入ると1つずつ買って少しずつ集めていたそう。

そんな2人の影響をまるっと受けていると気づいたのは大人になってからで、いつの間にか「もの」が大好きに。小さな頃から人見知りが激しく、人とうまく関われなかったことも相まって、「もの」が私の遊び相手だったように思います。

曖昧な記憶だけれど、小学生の頃の文集には「世界を旅しておばあちゃんと雑貨屋をやる」という夢を綴っていました。

大学生の時にアルバイトで勤めた雑貨店をきっかけに雑貨のスタイリスト、という「もの」と当時勉強していた「写真」の両方に関われるお仕事の存在を知り、目指すに至ります。

自分がまさか「スタイリスト」という、名前のお仕事をしていることに未だに違和感を感じるし不思議です。やりたい仕事の名前がたまたまスタイリストという名前だった、という感覚です。

前置きが長くなりましたが、今回は自分の原点から心をくすぐられる「もの」たちを集めてみました。昔から近くにあるお守りのようなものや、大人になって何故だか惹かれてしまうもの、特別なものではないし、おしゃれでもなんでもないけれど大切なものたちです。
 

祖母がくれた犬のグラススタンド


ついている意味がないんじゃないか、と思うほど目が悪いので小学生の頃から眼鏡がないと生きていけません。眼鏡との付き合いは小学生の私には心地良いものではなく、この犬の眼鏡スタンドには助けられました。

犬なんだけど可愛すぎず大人っぽく、バーガンディーの色みがとても気に入っています。かれこれ28年の付き合いです。
 

ラミーのサファリシリーズの万年筆


今でも毎年新色が発売されるサファリシリーズ。これは2007年の限定カラーです。大学生の時に初めて自分で買った万年筆で、ロイヤルブルーと赤いクリップの組み合わせに一目惚れしました。色のコントラストがとても好みです。
 

BODEのミニチュアの洋服が入ったバッグ


もうこれを見つけた時はドキドキしてしまうほど、ときめきました。ミニチュアの洋服は大人になった今でも集めてしまうのですが、使う用途はないので眺めるだけ。それがこんなにかわいく並んで持ち歩けるなんて。これをきっかけに知らない人に話しかけられることもあります。PVCなのにコーデュロイのあしらいなのがまたグッとくるポイントです。



きちんとミニチュアにもタグがついています。とても簡易的にボンドで貼られているため、剥がれて落ちてきているのですが、そのラフさも好き。
 

スパンコールたち


こういったものにときめいてしまうのは母の影響だな、と何よりも思います。余ったビーズやスパンコールを少しずつくれたので大事に集めて眺めていました。

これは友人のCOVINさんのお店で買ったフランスのもの。私のときめきポイントを誰よりも理解してくれている友人で、プレゼントしてくれたものもたくさんあります。フランスらしいカラーリングや形。瓶に入れて棚に並べて眺めるだけになっているけれど、いつか生かしたいと思います。ときめきの源です。
 

CECILIE BAHNSENのビーズのカーディガン


お花の形にビーズが散りばめられている、というだけでときめいてしまうカーディガン。コペンハーゲンのモードブランドですが、着ると少し野暮ったさがあっておばあちゃんになっても絶対に着られるな、という形に惹かれました。どうやら「散りばめられている」ということに弱いみたいです。


6つのビースでお花が散りばめられています。ところどころ失くなっているのだけれど……、おばあちゃんになる頃に1つもビーズがついていないことのないように大事にします。
 

熊のマグカップ


母の食器好きが影響しているかはわかりませんが、食器が好きです。特にマグカップはどんどんと増えていって、いつも使うものは同じなのに、ただただ増えていく。

旅行先でのスーべニアショップで売っているようなものも好きだしヴィンテージのものも、花柄のものや面白いモチーフが描かれているものなど様々です。これはアラスカに行った時にヴィンテージショップのレジ横で売られていたもの。なんだか熊の視線が気になって、迷いに迷って連れて帰ってきました。

よく見るとグリーンの上にゴールドの線が描かれていて、そこも好みです。

 
今回は自分の根っこの部分でつい気になってしまうもの、野暮ったくても大好きなものを紹介しました。

今は、たくさんのデザイン性のあるもの、洗練されたもの、最新のものが溢れていて、それらに触れられることはとても嬉しいことだけれど、そればかりだと自分の「好き」を時折見失いそうになる時があります。そんな時に理由はないけれど「好きなもの」を思い返すと、またわくわくとした気持ちが自分の中から湧いてくる瞬間があって、私はそのことにとても安心します。

自分がどこかの誰かが使っていたヴィンテージものも好んで使っているように、今、わたしが持っているものもいつかヴィンテージとなってまた次の世代の誰か使ってくれたらいいな、と思っています。

(つづく)

 


 

荻野玲子
東京都出身。2013年、岡尾美代子氏に師事後独立。ファッション、雑貨、インテリアなど暮らしまわりのスタイリングで活動中。猫2匹と手芸が日々の癒し。春に計画していることに向けて準備中。お知らせ出来るようにがんばります。

http://reikoogino.com/

 
my essentials by Reiko Ogino
#01 もの好きのはじまり
#02 花ホリック
#03 愛しのフィンランド
#04 作り手と持ち主の気配
#05 自分を整えるためのもの
#06 “あたたかさ” を感じるもの

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Text & Photo:Reiko Ogino
Edit:Yuki Akase

update: 2022.01.22

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