わーっ、ついに最終回です。これまで読んでいただき本当にありがとうございました！

my essencials、我が家をわたしをかたちづくるもの、最後に取り上げるのは「メンテナンス」です。

モノが好き買い物が好き、これまで数えきれないお買い物をしてきました。ただ、それらを大切にしてこれたかと言うと、日々に忙殺され目の前の欲に踊らされ、ダメにしてしまったものもたくさんあります。

ファストファッションはワンシーズンで着られなくなるけれど、質の良いものは長く着ることができるから結局コスパが良い、なんていうのはメンテナンスできてこそですよね。

でも私自身メンテナンスに目を向けられるようになったのは、子育てが少しだけひと段落したごくごく最近のことです。

最初のきっかけは、コロナが広がって最初の緊急事態宣言のとき。ちゃんとしたアイロンとアイロン台を購入したことです。

この話はほんとあちこちでしているのですが、洋服好きの友人の夫さんの名言「生地が蘇るよ」このことばに尽きる。

アイロンって「だらしなく見えないための、マイナスをゼロにすること」くらいにしか思っていなかったけれど、大好きな洋服をより美しく見せてくれることに気が付いてから、アイロンがけに対する意識が変わりました。

それは洋服だけでなくて、食器も家具も庭も家も。一念発起して、一日まるごとメンテナンスにあてるという休日の過ごし方はわりと好きです。

掃除も草むしりも取り掛かるまでは面倒だけど、始めてしまえば単純作業って没頭できるし、ピカピカになったそれに心躍るんですよね。自分へのご褒美として美味しいおやつを用意しておくのもセットで忘れません。

モノは買って増やすだけでなく大切にする。その楽しみを知ってから、暮らしがぐっと豊かになったと感じます。メンテナンスにかかる費用なんか自分の手を動かせば基本タダみたいなものだしね。

メンテナンスしたいと思えるためにも、自分が大切にしたいと思えるものを選ぶことってやっぱり大事だな～と、結局お買い物の話に戻るんですけど……笑

最終的には少しの大好きなものに囲まれて、それを大切にしながら過ごす日々が理想です。そのために今日もお買い物をするのです。

メンテナンスが楽しくなる道具たち

 

DBK / THE ACADEMIC
Rayen / アイロンボードスモール
SEES / テキスタイルスプレー
https://doinel.net/?s=SEES+Textile+Spray

我が家のアイロンセット。ドイツの電熱製品専門メーカーDBK社のアイロンは、1.5kgという重量感とたっぷりのスチームが味方して、アイロンが上手になったと錯覚させるものがあります。「アイロンがけはセラピー」もうひとつの名言はJohnbullプレスのマリアさんによるもの。香りのよいテキスタイルスプレーを使うとさらにその気分はアップ。アイロンを身近にするためにつよくおすすめしたいのが、アイロン台を部屋に常設しておくこと。

 

簡易金継のひと揃え

金継ぎが自宅で手軽に出来るようになって食器を扱う意識が変わりました。割れても直せるし、むしろ割る前より素敵になるから作家ものの器も遠慮なく使える。ガラスでも漆器でも大抵のものは直せます。材料はインターネットで揃えられますが、ワークショップに一日参加してみるとコツがわかっておすすめ。

 

Burgon & Ball / デイジーグラバー
最近気づいたのが草むしりに軍手って最強。軍手をはめちゃえばまるで自分が芝刈り機になったみたい、ガシガシ雑草片付けられます。それでも根っこの深い種類の植物には、やっぱり専用の道具が強い。ガーデニングの本場イギリスで300年以上続く老舗メーカーが作る雑草抜き、堅牢なツメはタフな植物も簡単に引っこ抜けます。

（おわり）

よしいちひろ
1979年兵庫県生まれ、東京都在住。女性の憧れや日常を、やわらかくみずみずしいタッチで描く作風が人気を呼び、雑誌や書籍、広告などで幅広く活躍。リラックス感がありながら、エッジのきいたファッションやもの選びにも注目が。2020年女性4名から成るディレクションユニットwitchi tai toを結成。
https://chihiroyoshii.com/

 
my essentials by Chihiro Yoshii
＃01 綿棒
＃02 骨董市で出会った水兵さん
＃03 Chloéのタートルニット
＃04 pidätのバードフィーダー
＃05 Volkswagen Polo
＃06 メンテナンスをすること

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