journal, storyInterview with Marianne Huotari

(2) About ARABIA/アラビアについて

2021年より ARABIA の芸術部門 ”Arabia Art Department Society” の正式なメンバーとなった Marianne Huotari(マリアンネ・フオタリ)。充実した環境でものづくりを行う彼女に、制作を取り巻く日々のルーティンや、セラミックアートに対する想いをお伺いしました。


 

2. About Arabia
 アラビアについて

−−− 現在あなたは名だたるアーティストが作品を生み出してきた ”Arabia Art Department Society” に所属して制作しています。あなたにとってどのような意味を持つ場所ですか。またそこでの制作は作品にどのような良い影響をもたらしますか。

マリアンネ: 2021年の初めから、私は ”Arabia Art Department Society” の永久会員となり、生涯そこにスタジオを持つことになりました。私の仕事は安定していますし、Arabia の陶芸仲間からの強力なサポートもあります。このような才能あるアーティストたちと一緒に仕事をすることで、日々ベストを尽くそうという意欲が湧いてきますし、時間とスキルのバランスを理解するための視点も得られます。

−−− 作品制作する日常の日課を教えてください。他のアーティストとの交流はありますか。

マリアンネ: 午前10時頃から仕事を始め、まず1杯の緑茶を飲みます。ほとんどの朝は、共有のキッチンテーブルを囲んで誰かがコーヒーを飲んでいます。そこで話題のニュースについて話したり、仕事のプロセスについての考えを共有したりします。

日々のルーティンはさまざまですが、制作中の作品があれば新しいパーツを作ったり、釉薬をかけたり、窯に入れたりします。その後は作品のそばに座って手縫いをしたり、時には解体して縫い直したりすることがほとんどです。パーツが足りなくなっても、新しいパーツの焼成を待っている間に他の作業を進められるよう、通常は複数の作品を並行してつくっています。(※注:陶のパーツをワイヤーで繋げる作品 “ceramic wall rugs” の制作)

他のアーティストたちとは、廊下で会ったり、キッチンでランチを食べたり、釉掛けの工房を共有したりしています。オープンで協力的な雰囲気です。誰にでもドアを叩いてアドバイスを求めることができますし、そういった環境はこのような組織の中で働く上で最も価値のあることだと感じています。

 

−−− 長い間アラビアアートデパートメントで制作されていた石本藤雄さんを尊敬していると聞きました。どのような影響を受けましたか。直接の交流はありましたか。

マリアンネ: 私は石本藤雄さんの作品と美学を素晴らしいと思いますし、尊敬しています。彼の作品はシンプルでありながら、強いメッセージ性を持っています。藤雄さんは必要なものだけを使いながら、作品に多様な意図を込められる技術を持っているのです。

アラビアでは藤雄さんは私に発展的な助言をしてくださり、いい会話ができました。今後も藤雄さんとのつながりを大切にしていきたいと思っています。

 

 
−−− 日本では陶の作品は一点ものであっても器として作られる場合が多く、陶を素材としたアート作品はまだそれほど身近ではないようです。フィンランドでは陶を素材としたアート作品はどのように受け入れられていますか。

マリアンネ: フィンランドでは、アラビアとイッタラのブランドが機能的な陶磁器の分野で重要な役割を果たしています。アラビアは19世紀後半からテーブルウェアを製造してきました。1930年代になると、アラビアの工場の9階に芸術部門が設立され、アーティストたちに独創的な作品を作る機会を提供するようになりました。

私たちの歴史はまだ浅いですが、セラミックアートに関する力強い遺産があり、今日ではフィンランドでますます受け入れられ、評価されています。世界的に見てもセラミックアートの価値は高まっており、この分野がより多くの人に知られるようになることを願っています。
 


 

Interview with Marianne Huotari

(1) About works −作品について
(2) About Arabia −アラビアについて
(3) About days off and hobbies −休日や趣味について

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Marianne Huotari (マリアンネ・フオタリ)
1986年生まれ、フィンランド ヘルシンキを拠点に活動するセラミック/テキスタイルアーティスト。”Arabia Art Department Society”のメンバーとしてアラビアのアトリエで制作している。並外れた細部へのこだわりと絶妙な色彩センスが特徴で、その活動は多彩なアートやデザイン作品の制作にとどまらず、フィンランドのテキスタイルブランドである「Finarte」のアートディレクターとして、日常使いのためのテキスタイルデザインも手掛けている。代表作品でもある細かな陶パーツをワイヤーで繋げた「ceramic wall rugs」は、フィンランドの伝統的な毛織物「リュイユ」にインスピレーションを受けたもの。本来リュイユに用いられるウール素材を陶に置き換えることで、伝統への敬意を込めながら、現代的な解釈によって独自の作品制作を続けている。
https://mariannehuotari.fi/
https://www.instagram.com/mariannehuotari/

 

update: 2021.05.06

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