journal, storyInterview with Marianne Huotari

(1) About works/作品について


代表作品でもある細かな陶パーツをワイヤーで繋げた「ceramic wall rugs」をはじめ、独自の手法と穏やかな色合いで繊細な作品を紡ぎだすフィンランド ヘルシンキのアーティスト、Marianne Huotari(マリアンネ・フオタリ)。彼女の作品の鍵とも言える、陶という素材との出会いや現在の手法に至った経緯について、また doinel にて現在開催中の展示「Kukkatori (クッカトリ)」に込めた想いなど、魅力的な活動の秘密についてお伺いしました。


 

1. About works
 作品について

−−− あなたは元々テキスタイルデザインを勉強されていましたが、ウールを陶に置き換えて作品を作ろうと思ったきっかけがあれば教えてください。
(※現在もマリアンネはフィンランドのテキスタイルブランドである「Finarte」のアートディレクターとして、テキスタイルデザインも手掛けている。)

マリアンネ: 私のものづくりの主な関心は、素材の表情やテクスチャー、色や形にあり、それが様々な素材を使って自分のアイデアを表現する手法につながっています。見た目の美しさだけでなく手触りなどの感覚も大切なので、自然素材を使うのが好きです。
セラミック素材を用いた楽しい取り組みは、スカンジナビアの伝統的なラグの製造工程を利用して、テキスタイルのような表情をモダンな陶器で表現するというアイデアからスタートしました。 すべては素材への純粋な好奇心から始まったのです。

−−− 細かな花びらやパーツのバランスがとても繊細に考えられているように感じられますが、それぞれの花の完成形はある程度頭に描いて進めるのですか?

マリアンネ: 時には大まかなアイデアや花の特徴のスケッチをしてから作品をつくり始めることもありますが、ほとんどの場合は素材や一瞬一瞬の感覚に導かれるままにしています。最も頼りになるのは、流れに身を任せ、直感に耳を傾けること。そうするとたいていうまくいくのです。

 

−−− ‘Ceramic Flowers’ は時間をかけた手仕事だからこそ生み出せる美しさがあると思いますが、制作する上で苦労する部分は何でしょうか。

マリアンネ: ‘Ceramic Flowers’ の制作は、その反復性とゆっくりとした速度から瞑想的な作業と言えますし、手で陶作品をつくリ出すことの美しさも感じます。
花は白い粘土でつくり、釉薬で色をつけています。一番楽しいのは白く素焼きした花々を目の前にして釉薬を選ぶ時ですね。ただし、花びらの繊細さや優雅さが失われないよう、釉薬の加減や厚みには常に注意する必要があります。

今回いくつかの作品を新しい技法で制作してみたんです。まず最初に粘土を染めて、着色した粘土で花を成形しました。さらにパーツを際立たせたり、マットとツヤの質感のコントラストを出すために、部分的に透明な釉薬を使っています。
 

−−− あなたの作品はとても親しみやすく優しい印象を与えます。作品をつくる上で大切にしていることは何ですか。

マリアンネ: 私が意図しているのは、人々が一歩立ち止まって周囲の美しさを楽しんでもらえるように、作品と周りの環境との調和を創り出すことです。

−−− 柔らかな色合いも作品の特徴だと思いますが、どのように色を選んでいますか。

マリアンネ: ‘Ceramic Flowers’ の色の組み合わせは、自分の中の決まったカラーパレットから選んでいます。ソフトピンク、イエロー、ウォームグリーン、ベージュは昔からずっと使っている色です。これらの色の組み合わせは相性がよく、私が見せたい世界観をよく表してくれると感じています。
最近ではこれまでの習慣を見直して、新しい色をパレットに加えました。そのことで色彩感覚が進化して、花々に新しい個性が生まれています。
 

−−− 展示タイトル「Kukkatori」に込めた想いや、今回特に見て欲しい部分を教えてください。

マリアンネ: 「Kukkatori」というフレーズは、夏の屋外マーケットでのカジュアルな気分や出会いを思い起こさせます。マーケットで最も心を奪われるのは、魅惑的な香りと色が咲き誇るの花売り場のテント。花々と一緒に幸せな気分もバスケットに詰め込めるような場所です。

今回は、夏らしくボタンを外したような雰囲気を出すために、新しい形を取り入れて、よりカラフルでイマジネーション豊かな花を表現しました。

−−− 今後したいことや作りたいものを教えてください。

マリアンネ: 将来的には、セラミックとテキスタイルの両方の素材を使って仕事をしていきたいと思っています。より大きなセラミック作品を作ることや、新しい技術を学ぶことが私の夢です。
最近では小さなパーツを使った彫刻を作り始め、そのことに集中しています。陶芸の世界には、試してみたいアイデアや実現したい夢がたくさんあります。

 


 

Interview with Marianne Huotari

(1) About works −作品について
(2) About Arabia −アラビアについて
(3) About days off and hobbies −休日や趣味について

≫ マリアンネの作品一覧はこちら
https://doinel.net/product/brand/marianne-huotari

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Marianne Huotari (マリアンネ・フオタリ)
1986年生まれ、フィンランド ヘルシンキを拠点に活動するセラミック/テキスタイルアーティスト。”Arabia Art Department Society”のメンバーとしてアラビアのアトリエで制作している。並外れた細部へのこだわりと絶妙な色彩センスが特徴で、その活動は多彩なアートやデザイン作品の制作にとどまらず、フィンランドのテキスタイルブランドである「Finarte」のアートディレクターとして、日常使いのためのテキスタイルデザインも手掛けている。代表作品でもある細かな陶パーツをワイヤーで繋げた「ceramic wall rugs」は、フィンランドの伝統的な毛織物「リュイユ」にインスピレーションを受けたもの。本来リュイユに用いられるウール素材を陶に置き換えることで、伝統への敬意を込めながら、現代的な解釈によって独自の作品制作を続けている。
https://mariannehuotari.fi/
https://www.instagram.com/mariannehuotari/

 

update: 2021.05.04

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