“objects” – アートやオブジェなどのように、生活必需品ではないけれどあるとなんとなくうれしいもの。“objects” が身近にある暮らしやお仕事の様子を、ヘルシンキのアーティストやデザイナーの方々に伺いました。
2人目はフィンランド国内をはじめ、デンマークなどでも個展を開催するなど、活躍中の画家、Karoliina Hellberg さんです。
Profile / Karoliina Hellberg
1987年ポルボー生まれ。2015年にヘルシンキの芸術大学を卒業し、画家として活躍。フィンランド国内を初め、デンマークなどでも個展を開催している。2019年にはヘルシンキのディドリクセン美術館(The Didrichsen Art Museum)が授与するPro Arteに選ばれ、5月に同美術館で個展を開催。2019年9月まで世界遺産であるスオメンリンナ島にアトリエを構え、制作に励んでいる。
https://www.karoliinahellberg.com/
画家という仕事
カロリーナが描く世界には、人物は登場しませんが、透明人間のように存在感だけを感じることができます。 イヴ・サン=ローランが語った「美的な怪人」という言葉をヒントに、独自の絵画のコンセプトを構築しました。鑑賞者は絵画のふしぶしにちりばめられたヒントをたよりに、場面を自由に想像します。大きな油彩もあれば、小さな紙に水彩やインクでドローイングすることもあります。カロリーナにとっては、絵の大きさはあまり関係がないのだとか。小さな絵でも完成された世界観が表現されています。
カロリーナが制作する際、あらかじめストーリーの設定や登場人物についてメモをとります。そこから想像に羽が生え、筆を動かしながら、作品が生まれます。前もってスケッチすることはなく、最終的にどんなところにたどり着くかは本人もわからないそうです。メモは明らかにされることはなく、カロリーナしかしらない秘密として残ります。
「仕事をせよ、そして愛せよ」というトーベ・ヤンソンの言葉が自身のモットーでもあるというカロリーナ。トーベはムーミンの生みの親として世界に名を知らしめていますが、数多くのアート作品を手がけてきました。「トーベは多岐に渡って仕事をしていますが、彼女の描く線描が好きで、特にイラストの仕事に惹かれます。 絵を描くことは自立が求められ、孤独な作業ですが、分野を超え、情熱を持って、勇敢に創作する姿に勇気をもらいます」。縁があり、「ムーミンパパ海へいく」のリミテッドエディションの装丁も担当しました。
アートとビジュアルアートに幅広く興味を持っているカロリーナは、仕事のバランスを保つためにも、絵を描くだけなく、アーティストやデザイナーたちとコラボレーションをしています。これまでも、Samujiというファッションブランドや多方面で活躍する若手デザイナーたちと仕事を共にしてきました。
展示会場では、カロリーナの描く絵画のシリーズに、ガラス彫刻や陶器やインスタレーションを組み合わせます。絵画をより深く感じでもらうために、壁の色からこだわり、ガラス職人と一緒に作品を作成したり、壁紙を制作することもあります。 あくまで、メインは画家というスタンスを取りながら、様々なことにチャレンジし、彼女ならではの世界観を築いています。
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https://doinel.net/journal/category/objects
photo(Karoliina): Chikako Harada
photo(drawing): Jussi Tiainen
edit & writing: Eri Shimatsuka
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