2022年 12月16日 (金) より、doinel では初めてのご紹介となる 笹川健一(ささかわ けんいち)さんの作品展 ‘between the lines’ を開催いたします。
笹川健一さんは、京都府南部の工房を拠点に制作活動を続けるガラス作家。
青みがかったグレーのカラーや、思慮深く静謐な印象を感じさせる端整なフォルムが特徴のガラス作品を制作しています。
その独特な色合いは、蛍光灯のリサイクルカレットに数種類の酸化金属を添加することで作り出されたもの。心地よい緊張感を宿した線や、包容力のある伸びやかな丸みなど、吹きガラスの手法で導かれる美しい形状は、機能性を損なわない範囲で成立する最大限を、注意深く判断することで実現しています。
また、相反する印象を作品に同居させることを意図し、材料となる生地には気泡や色といった多弁な表情を持たせつつ、冷静かつ簡素な佇まいに仕上げるよう心がけていると語る笹川さん。その作品は時代を超えて受け入れられる普遍的な品格を宿しながら、現代に調和するシンプルかつニュートラルな輪郭も保っています。
‘between the lines’ と題した本展では「行間」を意味するタイトルの通り、作品そのものが語り出す有形の美だけでなく、その周縁にある空気や余白に着目。文学や映像表現のように、行間や余韻をともなって日常の場面を繋いでいく笹川さんのガラス作品。そこから発される、慎ましくも雄弁な詩情をぜひご体感ください。
__笹川健一さんのコメントより
器は道具であり、場の空気を作ることができます。
どんな道具にも使うためのおおまかな正しい方法があり、より特殊性の高い道具には厳密な所作が求められます。
場の精神性が高められていくと、道具は作法の起点になり、その連なりが儀式になります。
もちろん自分の器はそんな堅苦しいものではありませんが、「部屋の空気を入れ替える」「卓上を清めてグラスに水を注ぐ」といった、日常の中に少しだけハレが入り込むような場の整いに、自分の器が作用することができたらとても嬉しいです。
笹川健一 作品展 between the lines
会場:doinel (ドワネル) 東京都港区北青山 3-2-9
会期:2022年 12月 16日(金) – 12月 27日(火) 12:00 – 19:00 水曜定休
◯12月 15日(木) は設営のため休業いたします。
◯状況により整理券の配布や入場制限を行う場合がございます。あらかじめご了承ください。
笹川健一 Kenichi Sasakawa
1981年神奈川県生まれのガラス作家。多摩美術大学大学院を修了したのち、金沢卯辰山工芸工房への在籍や大学での勤務を経て、2017年より京都府南部に開設した工房を拠点に制作活動を続けています。
青みがかったグレーのカラーが、端整なフォルムに思慮深く静謐な印象を与えている笹川さんのガラス作品。その独特な色合いは、蛍光灯のリサイクルカレットに数種類の酸化金属を添加することで作り出されています。心地よい緊張感を宿した線から、包容力のある伸びやかな丸みまで。吹きガラスの手法で導かれる美しい形状は、機能性を損なわない範囲で実現する最大限を、成形中も注意深く判断したもの。
フォルムに応じて微妙な濃淡を見せるグレーのトーンや、散りばめられた繊細な気泡。多弁な表情は簡素さの中で静かに調和し、相反する印象を兼ね備えた独自の美を体現しています。
道具から誘発される所作、場の空気に作用することを意識していると語る笹川さんのガラス作品は、「部屋の空気を入れ換える」「卓上を清めてグラスに水を注ぐ」といった、日常の中に少しだけハレが入り込むワンシーンを清らかに整えてくれます。
http://www.sasakawaglass.com/
https://www.instagram.com/k.sasakawa.glass/