As Something That Touches the Skin
やさしく洗練されたフォルムに滑らかな感触、日常使いに寄りそう器。陶芸家 村上祐仁(むらかみ ゆうじ)さんによる作品です。
器を通して人と繋がることをテーマに掲げ、作品を手にした人が笑顔になってほしいという想いで制作に向き合っている村上さん。
シャープなラインと柔らかな曲線を使い分けた美しいシルエット、それぞれに呼応する心地よい表面の質感など、作品からは様々な要素から受ける洗練された印象と同時に、温かみや柔和な感触が伝わってきます。
器は日々の暮らしの中で無意識に手にしたり口にしたりするもの。人が生活をする上での基本的な道具であるからこそ、村上さんは肌や唇に触れる感覚に繊細に向き合い、優しい仕上がりを心掛けています。
控えめな主張でありながら一瞬の景色を美しく演出してくれるシンプルなフォルムは、土の可能性を最大限に生かすことを意識し、試行錯誤を経てたどり着いたもの。機能性を差し引いても魅力的な造形でありながら、使い手への配慮に重点を置いた温かい眼差しが、作品の本質的な美しさに還元されています。