Stimulate Curiosity
心地よい緊張感と共に好奇心を掻立てる形。木工作家 嘉手納重広(かでな しげひろ)さんの作品です。
幾何学的で無機質なイメージから有機的で柔らかな曲線まで、さまざまな要素を軽やかに選びとり作品を作り出す嘉手納さん。
マグネットを用いることで独特の浮遊感を纏ったオブジェは、あらゆる先入観を超えて作品の中に意外性とともに美しい調和を生み出します。
木製のパーツに埋め込まれたマグネットのみで接合された作品。固定されていないからこそ、それぞれのユニークなフォルムや量感が際立ち、絶妙なバランス感覚とともに心地よい緊張感をもたらします。
パーツはバラバラに置いたり、気分で角度を変えて楽しむことも可能。マグネットを用いた自由度の高い手法が、鑑賞者が作品に関わりながら新しい景色に出会える余白に繋がっています。
ミクロの世界の構造を拡大したような迫力ある作品は4つのパーツから成り立ち、組み合わせ方で形を変えます。面取りの形のため設置の角度を細かく調整でき、細かく分割される陰影も印象的です。
アボカドの種を抜いたように真ん中に空洞のある二つの形を、鉄の球体が繋ぐオブジェ。鉄媒染による黒と、表面の薄いグレーのコントラストも効果的な作品です。黒くした木材の表面に白い塗装を施し、それをさらに磨いて落とすことで、内側の黒を透けさせて薄いグレーを表現しています。
石のように多面に仕上げた木製パーツを組み合わせた、不思議な浮遊感を楽しめる作品。金属の質感も美しく、空間に軽やかなアクセントを添えます。
身近なはずの木材で構成された、見たことのない形や表情。触って動かしながら親しんでいくことができるオブジェです。