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journal, my favorite ○△□My favorite “Susan Cianciolo”

編集者・林央子さんの著書で知った、スーザン・チャンチオロ。ファッションデザイナー・アーティストとして活動する彼女が福岡で展覧会『Objects and Shapes』を行ったのは2013年のことでした。

メディア上で見ていた作品を実際に目にすることが出来るだけでも嬉しかったのに、ギャラリーから依頼を受けて展示のグラフィックを制作することに。設営の際、事前にデザインしていた展示タイトルのカッティングシートを見たスーザンが即興で壁に模写する場面や、人払いをしてその場で孤独に作品を仕上げていく様子など、自分にとって忘れられない体験になりました。

写真はこの仕事の記念に…と思って会場で購入した作品。背広から裏地だけを取り外して使い、カラフルな糸でポケットや布切れを縫い付けたジャケット(のようなもの)です。ボタンの代わりに安全ピンが幾つも付けられていて、一瞬、異様にも見えるデザイン。だけど、実際に着てみると普段の服にも合わせやすく、安全ピンもナポレオンジャケットのボタンをイメージしていることが分かったりと、着る度に発見がある一着です。

何年もデザインの仕事を続けていると自分なりの方法論が生まれてきますが、同時に「もっと良い方法は無かったのだろうか」と不安になることもあります。そんな時、ありふれた物の組み合わせと絶妙な手作業の塩梅で生まれる彼女の仕事を見ていると、ものを作る方法は一つではないし、それは意識ひとつで自分にも出来ることなんだと勇気をもらえる気がしています。

 

Written by:三迫太郎(デザイナー)
1980年からずっと福岡県在住。主にアート・生活に関わる分野で活動するグラフィックデザイナー/Webディレクター。福岡のクリエイティブメディア「CENTRAL_」、zineレーベル「10zine」の運営など、デザインワーク以外の動きにも注力している。doinelではWebサイトのデザインを担当。

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update: 2018.05.13