
Visualise a Breeze
微かな風を心地よく可視化する鈍い輝き。kanehen として身近に使える金属の品を制作する、宮島司緒里(みやじま しおり)さんによる作品です。
空間に置かれた植物のように、その場において自然な存在であることを目指して作られているという真鍮のモビール。
光を強く反射し過ぎない、程よい質感と色合いのモビールは、素材に輝度の低い真鍮を使用。熱により酸化した鈍い黄土色の真鍮に薄く蜜蝋を引いて仕上げたパーツは、素材自体の美しい質感や色合いを緩やかな経年変化で楽しむことができます。
ドローイング、真鍮の板を切り出すパーツづくり、組み立て、微調整といくつかの段階を経て作られるモビールの制作において、造形としての程よいバランスを探すことが最も重要だと語る宮島さん。
2枚のパーツから成るオブジェは平面性を生かした造形。真鍮ならではの色合いと鈍い輝きが、美しいライを際立たせます。
微かな風に角度を変え、連なったり、離れたり。自然な動力によって常に偶然の新しい景色を見せてくれるその様は、日常のシーンに馴染みながら、目に映るたびに心地よく好奇心を満たしてくれます。