
Gently Soak in
骨董のような味わいの中に、やわらかな遊び心を染み込ませたやさしい佇まい。陶芸家 光藤佐(みつふじ たすく)さんの作品です。
粉引、刷毛目、白磁など、多様なタイプの器をおもに薪窯にて焼成する光藤さん。食器を中心に花器、酒器、茶器など、幅広い種類の作品を制作しています。
もともと中国や韓国の古い焼き物に惹かれてきたという光藤さん。伝統的な焼き物の佇まいを宿しつつ、花・図形の紋様や動物の絵付けを施すなど、遊びの余地を残した、ユニークな器を焼いています。
黒釉のマットな質感と五角形のフォルムが印象的な「黑釉五角鉢」。幾何学的なフォルムの中にやわらかさも感じさせる、もったりとした表情です。
果実のようなふっくらとしたフォルムが印象的な「辰砂瓶」。淡い辰砂の色合いが自然と空間になじんでいきます。
釉薬の滲みや炎の痕跡など、窯の中で起きる予測不能な偶然を生かした光藤さんの作品。焼き物としての深みを帯びつつ、土の素直さも感じられる器は、料理を親しみやすくも洗練された一品に見せてくれます。