Beautiful Results Of Playing With The Soil
土いじりの楽しさが宿る自由なフォルムと清々しい軽やかさ。陶芸家 呉 瑛姫（ご えいひ）さんによる作品です。
岐阜県多治見市を拠点に活動する呉瑛姫さん。自分の線を描くことを常に意識しているという呉さんは、「ちょっと変な形が好き」。そんな呉さんから生まれる作品は、どれも自由でのびやかな輪郭線で形作られています。眺めるたびに愛着が湧くような、あたたかい空気をまとっている器です。
作品を作る上でモチーフとなっているものは、心にとめた景色や自然物、古い焼き物など。素材に磁器土に原土と石の粒をまぜたものを使用したり、土器を磁器土ベースで作ったりと、焼きものの常識に囚われずに作品を制作をしています。
ブルーグリーンの釉薬が溜まった見込み、表面に現れた微細な貫入、遺跡から出土した古代陶器のようなおおらかなフォルム。呉さんの薪窯作品は、それらの全ての要素が溶け合うように結びつき、静かでみずみずしい佇まいを作り出しています。
ろくろを使用せず手びねりで成形したものを、比較的低温で小規模の窯で焼く「楽焼（らくやき）」。幼い頃に近所のダムにある土を採って、うつわのようなものを作っていたという呉さんは、現在の手びねりの作品はその頃作ったものに近いと語ります。
地面に薪や藁などを敷き焼成する原始的な「野焼き」で作られた作品。釉薬をかけていない土の乾いた質感と、炎の勢いをそのまま写したような表情が魅力的です。
