
Quiet Traces
制作の痕跡、想像をめぐらす余白、変化の予感。使い手に静かに寄り添い、思考に働きかける、陶芸作家 松本 美弥子(まつもと みやこ)さんによる作品です。
暮らしの道具として想像をめぐらす余白を残したものや、使い手それぞれが大切にしている何かを引き立てるような静かなもの。そのような、作品を受け取る側の色が入って初めて完成する作品をつくっていきたいと語る松本さん。
柔らかい発色の白磁、銀彩や銅彩、土に植物を焼きつける nuance シリーズなど、多彩な作品を制作しています。
土に植物をそのまま乗せて焼きつける nuance シリーズの「独楽 / nuance」。細い枝までとどめた植物がそのまま釉薬になり、マットな白磁の上にツヤのある繊細な姿を表します。接地面から微妙に浮き上がる影も美しい、独楽としても楽しむことができるオブジェです。
植物を焼き付けた上に銀彩を施した「nuance ボウル」。自然のエネルギーの痕跡を残しつつ、詩的な静寂を纏います。
ゆらぎのあるフォルムが愛らしい「ベル」。鳴るベルと鳴らないベル、松本さんの遊び心が感じられる作品です。
松本さん独自の眼差しが感じられる、穏やかにやさしく、思考や工夫を促すような作品です。