Shine Softly
金工作家 鎌田 奈穂(かまだ なほ)さんによる、貝を用いたブローチ。不規則な多角形のフォルムが有機的な印象を引き立てます。
カトラリーや器といった日用品からシンプルなアクセサリーまで、細やかな視点で金属に柔らかな表情を添えながら、繊細かつ凛とした佇まいの作品を生み出している鎌田さん。手作業でつくられるバングルは、華奢なラインが素肌に溶け込むように腕に寄り添い、手元を美しく見せてくれます。
アクセサリーづくりにおいては、身体の一部としてさりげないポイントになるよう心掛けていると語る鎌田さん。貝の自然素材らしい肌馴染みのよさと、さらりとした美しさに惹かれて制作したというピアスは、シルバーやゴールドで囲んだ穏やかな円周がアクセント。ゆらぎのある貝の表面が控えめに光を反射し、可憐な存在感で耳元を慎ましく彩ってくれます。
銀を丁寧に叩いてつくり出したスプーンは、繊細な表情や手に持った時のしっくりとくる重さから手仕事の温かみが伝わるアイテム。ヨーグルトやアイスクリームを最後まできれいに食べられるように考えられています。様々な素材のテーブルウェアに馴染む慎ましく控えめなシルバーの輝きは、食卓で心地よいアクセントとなってくれます。
アルミを叩いてつくり出した軽やかな菓子プレートは、お菓子の美しさの邪魔にならない位の立ち上がりを意識したという、作り手の穏やかな視点が細部まで行き届いています。叩いた跡が繊細なアクセントとなるプレートは、お茶の時間を一層和やかなものにしてくれるはずです。
鎌田さんへのインタビューはこちらからご覧ください。
https://doinel.net/journal/20584