Surfaces Formed by Flames
素材と自然の力を引き出した強い表情と、それを日常に取り入れる削ぎ落とされたフォルム。陶芸家 山本憲卓（やまもと のりたか）さんによる作品です。
沖縄の読谷村に工房を構え、コントロールの難しい登り窯での制作に打ち込む山本さん。自然の石や岩などの存在に惹かれ、沖縄という環境からも多くを受け取っているといいます。
自然現象に近い炎の流れを再現する登り窯で焼かれた作品には、予期せぬ質感や色彩が焼成の痕跡として残り、器が窯の中で経験した大きなエネルギーや、素材そのものの力を可視化しています。
側面の景色に火の勢いを感じることができる「焼締 カップ」。3種異なる内側の処理による印象の違いも楽しい、使い勝手のよいカップです。
リムが盛り付けを引き立たせる「焼締 深リム皿 中」。薄く掛けた白い化粧土の量や火の当たり方により、個性豊かな表情を見せています。
「クチャ」と呼ばれる沖縄の海泥を用いたオブジェ、kucha の「ツボ 小」。高温で炭化焼成すると泡立ち膨らむ特性を生かした、山本さんの素材への探究心と自然の力を感じられる作品です。
