Soak in The Bluish Grey Afterglow
青みがかったグレーのカラー、思慮深く静謐な印象を感じさせる端整なフォルム。ガラス作家、笹川健一さんによる作品です。
笹川さんのガラス作品の独特な色合いは、蛍光灯のリサイクルカレットに数種類の酸化金属を添加することで作り出されたもの。心地よい緊張感を宿した線や、包容力のある伸びやかな丸みなど、吹きガラスの手法で導かれる美しい形状は、機能性を損なわない範囲で成立する最大限を、注意深く判断することで実現しています。
また、相反する印象を作品に同居させることを意図し、材料となる生地には気泡や色といった多弁な表情を持たせつつ、冷静かつ簡素な佇まいに仕上げるよう心がけていると語る笹川さん。その作品は時代を超えて受け入れられる普遍的な品格を宿しながら、現代に調和するシンプルかつニュートラルな輪郭も保っています。
薄手の作りと気泡の入ったブルーグレーの生地が特徴の笹川さんのガラス器は、アンティークのような雰囲気を纏った生地と、古典にインスパイアされて生まれたディテールが、笹川さんの感性によって現代に見合ったシンプルなスタイルに落とし込まれています。
作品そのものが語り出す有形の美だけでなく、行間や余韻をともなって日常の場面を繋いでいく笹川さんのガラス作品。詩情のある作品をぜひ日常に取り入れてお楽しみください。