Roughness Behind Minimalism
荒々しいテクスチャーと薄くシャープな造形。相反する要素が融合する、陶芸家 遠藤 岳(えんどう たかし)さんによる作品です。
荒いテクスチャーを理想の質感としながら、一方で薄くシャープな造形に惹かれるという遠藤さん。これらを一つの器で両立するため、粒度の荒い伊賀の土と可塑性に優れた信楽の土を混ぜて使用することで、独特の風合いと洗練されたシルエットを同時に実現しています。
すっきりとしたアプローチで姿勢よく立ち上がる高台と、それに続きシンプルな扇状に広がる直径 17cm のボウルは、それだけでアートピースのようなシルエットを楽しめる作品です。汁気のある料理はもちろん、副菜を高く盛りつけたり。食卓に抑揚をもたらしながら、和洋選ばずにどんな料理も洗練された盛り付けを楽しむことができます。
無駄のないミニマルなフォルムを印象付ける黒い素地は、冷却還元(炭化)という焼成方法によってより深い色合いに仕上げられたもの。心地よい緊張感を宿しながら、素材の味わいと存在感を際立たせています。
粒の荒い質感と制御された端正なフォルムの組み合わせが、静かに強い印象をもたらすします。