穏やかでやわらかなフォルムと滑らかな手触りの木のトレイ。木材に対する優しい眼差しを感じることができる、造形作家 生嶋 花（いくしま はな）さんによる作品です。

武蔵野美術大学と長野県上松技術専門校にて木工を学び、現在は木工作家として活動しながら、岐阜県の多治見市陶磁器意匠研究所にて陶芸の制作も並行している生嶋さん。表現に適した素材や手法を判断しながら、日用の道具を中心に広い視点でのものづくりを行なっています。

癒しや優しさといった穏やかな雰囲気を与えることを意識して作られる、柔和で曖昧なフォルムが特徴の生嶋さんの作品。絹のような滑らかな手触りを目指し、もともと見えなかった細かい模様と自然な艶が浮かび上がってくるまで、手作業で丹念に磨いて仕上げています。

自然から生まれた素材を人為的に加工することから、素材は家具店などの端材から調達。木材への深い敬意と感謝の気持ちを持ち、謙虚な姿勢を土台に手間のかかる工程を、時間を掛けて丁寧に行っています。

抽象的なフォルムが愛らしい作品は、例えば菓子皿やアクセサリートレイなどとして自由にお使いいただけます。素材本来の色合いを生かし、親しみやすく、しっとりとした手馴染みに仕上げられた作品は、目に留まり、触れるたびに愛着のある存在となってくれるはずです。

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