Faint Transparency
マットな色の中に潜む微かな透明感、指先に伝わる微妙な凹凸。質感と組み合わせた繊細な色を生み出す、ガラス作家 八木麻子さんの作品です。
やわらかな色彩と質感を楽しめるガラス作品を発表している八木さん。板ガラスを用いた「キルンワーク」という技法により、手に触れた時のマットな質感や細やかなグラデーションなど、質感や色のニュアンスをコントロールして作られています。微かな凹凸をつけた表面に粉砂糖をかけたようなやさしい色が広がります。
※キルンワーク:ガラスを組み合わせて電気炉に入れ加熱し、変形・融着させる手法
通常ガラスと聞いて思い浮かべるツヤや透明感ではなく、マットで微かな凹凸のあるテクスチャーで見せる色にこだわり制作。あたたかみや親しみやすさを感じさせる存在感です。
粉状のガラスを板ガラスに焼き付けることでやさしい濃淡の色を出し、それらをカットした複数のパーツを組み合わせて溶着させることで、パッチワークのような色の組み合わせの楽しさも生み出しています。
基本的に色落ちや擦り減りなどの目立った経年変化はないガラス素材ですが、パウダリーな色合いとまばらな透け感のために、時と場所により移り変わるような表情も見せてくれます。
◯ doinel 外苑前店舗にて、八木麻子 作品展「うつろい」開催中です。
2022年 7月 22日 (金) – 8月 2日 (火)
12:00 – 19:00 ※最終日 8月 2日 (火)は 17時閉店
https://doinel.net/store/24114