Portomarinico:
Inspired by the Romanesque Church
花を生ける時には花を引き立て、それ自体でも飾っておきたいものであればなお嬉しい。全面を覆いつくす深いレリーフが陰影で幾何学柄を描く Sargadelos(サルガデロス)のフラワーベースは、ロマネスク建築の教会に誘発されたデザイン。白い磁器そのものの凹凸で表現された装飾は、植物の色を引き立てながら、品のある存在感を見せます。
スペイン北西部、ガリシア地方の磁器メーカー Sargadelos。ガリシア文化とケルト文化の伝統的なモチーフを取り入れるなど、地域に根ざした独創的なデザインが特徴です。Portomarinico のレリーフは、キリスト教の巡礼地サンティアゴ デ コンポステーラへ続くフランス側からの巡礼路と、ガリシアでもっとも長い川であるミーニョ川が交差する場所にあるエリア、ポルトマリンにある後期ロマネスクの教会建築に触発されたもの。直線的でシンプルなフォルムに幾何学的な装飾のディテールを持った建造物の力強さが感じられるようです。
つややかで柔らかく光を通す、磁器ならではの微かに透ける質感。視覚的におもしろいレリーフはそのデザインだけで十分魅力的ですが、祈り続ける巡礼者を何世紀にも渡り見守ってきた建築がモチーフと思うと、また見え方が変わって感じられるもの。部屋にいながらにして遠い場所に思いを馳せるのも良いですね。