2023年7月7日(金) より、doinel にて、陶作家 植田 佳奈(うえだ かな)さんの作品展を開催いたします。
植田さんは神奈川県を拠点に活動する陶作家。土での質感表現の可能性を探る新しい陶芸を目指し、気の遠くなるような工程を経た象嵌作品や、独自の着想によって生み出されたオブジェなど、明確な用途を持たない感性的なものづくりに向き合っています。
自然物の生成過程、またその質感や形態の構成に目を留め、日頃からじっくりと観察しているという植田さん。動物の毛並みの流れ、蚕の繭の肌理など、極小の造形をみつめるミクロの視界から、水の中を転がってきた石から途方もない時間の積層を汲み取るマクロの感覚まで。柔軟な感受性によって生み出される作品は、自然物が持つ神秘的なありさまを、土という身近な素材によって追体験させてくれます。
doinel で3回目の個展開催となる本展では、地表のあらゆるモノの質感に関心を持ち続ける、植田さんの探究心を感じさせる作品が集います。
代表作とも言える象嵌一輪挿しに加え、骨や珊瑚を思わせる多孔質のオブジェや、石のプレートのようなオブジェまで。
星に刻まれた記憶を辿るように、土と向き合い、実験と発見を繰り返しながら生み出される植田さんの作品たちは、生まれる前から身体が記憶していたような、不思議な既視感を呼び起こしてくれます。
制作を通じて自然の摂理を実感し、作品へと昇華していく植田さんの試みは、時に新鮮で、時にノスタルジック。インテリアとしてお部屋の傍らに置くだけで、じっと見ていたくなるような落ち着きを与えてくれます。
海辺で石や貝殻を拾い上げるように、多様な形との出会いをお楽しみください。
植田 佳奈 作品展
会場:doinel (ドワネル) 東京都港区北青山 3-2-9
会期:2023年 7月 7日(金) – 7月 18日(火) 12:00 – 19:00 水曜定休
※最終日 7/18 は 17:00閉店
◯7月 6日(木) は設営のため休業いたします。
植田 佳奈(うえだ かな)
1992年に生まれ、武蔵野美術大学にて陶磁を専攻し、現在神奈川県を拠点に活動する陶作家。土での質感表現の可能性を探る新しい陶芸を目指し、気の遠くなるような工程を経た象嵌作品をはじめ、独自の着想によって生み出された多孔質のオブジェなど、明確な用途を持たない感性的なものづくりに向き合っています。