my essential by Maki Nakano ＃03 | doinel / ドワネル

journal, columnmy essential by Maki Nakano ＃03 撮影の小道具たち

偏愛ストーリーも第3話となりました。今回は撮影に向けて作った小道具をご紹介したいと思います。

撮影時、イメージを膨らませる中でリサーチしていても理想に近しいものが見つからない場合は、小道具を作る事がたまにあります。素人が作る程度ですので大層なものは作れませんが、不思議と愛着が湧いてくるものです。気恥ずかしい思いを一旦横に置いて、お手製のものをご紹介したいと思います。

連続した丸の集まり

これを一般的になんと呼ぶのかわかりませんので、丸の集合体とします。素材は様々で、一つは紙こよりの巻き紐を解いたもの。さらに、フェルト、スチレンボードの3種類です。撮影時はこちらにジュエリーを絡めるようにのせました。背景にあると良いなと思って作りましたが丸い白の連続がなんだか可愛くて、その場限りではなく自宅に持ち帰り玄関に吊るして飾っています。

ジュエリー撮影時のフォトグラファーさんが気に入って下さり、彼のご自宅に飾って頂いているのですが、恐縮な思いと嬉しい思いが交差しながらニマニマと嬉しくなってしまいます。

モノに付随される記憶を辿る事が、私にはよくあります。記憶って対象物をぼんやり見ているだけでどんどん頭の中で展開されていきますよね。こちらを使った時の撮影は連載物だったこともあり私にとってとても大切な位置付けのお仕事でした。これを見ると何度も繰り返した撮影時のやり取りなどを、詳細に思い出すのです。

クリアの紐を巻きつけたアクリル板

コスメブランドの展示会場をスタイリングする際に作り、別件の撮影でも何度か使用してきました。

フォトグラファーさんには寄りで撮影してもらったため、写真の世界では全体像はわからず、見えるのはアクリルとクリア紐の透明が重なる美しい姿でした。その様子が気に入り、この上にコスメなどを配置するなどしてスタイリングしました。

自宅でも棚に置いてみると光があたったときにぼんやりと視界が滲む様で綺麗だなぁと目で追ってしまいます。

木の端材

見た通り木の端材を白く塗装したもの。端材は家具作家の友人のアトリエで見つけ、頂いてきました。

三角柱の形でこのままスタイリングに使えそうではあったのですが、当時はなんでも白く塗りたいモードの時期でこれも白く塗装しました。ふといいかもとその時の思い付きでフルーツ用のクッションカバーをつけました。特に意味はないですが、一巻きあるだけで個性を帯びるような気もします。スタイリングでは「外し」になるアイテムとして一役買ってくれています。

ペンキを塗った背景紙
こちらはイメージに合う背景を探していた時に見つからず、ペンキを馴染ませながら塗った背景紙です。場当たり的に塗り始めてしまったのですが、塗っていると段々と「これいいんじゃない？」と楽しくなってしまいました。イメージしていたものに近いものが出来上がり、クライアントにも気に入って頂き安心したことを覚えています。