store, ExhibitionFeatured Exhibition – Vestige


2026年8月6日(木) より doinel にて 「Vestige」と題し、陶、磁、ガラス、それぞれの製作過程で生まれる豊かな痕跡が刻まれた作品をご紹介します。

Vestige – かつてそこに流れたエネルギーや時間の、目に見える形で残った痕跡。
それぞれの物質が辿ってきた時間や、作り手の記憶や風景、そして焼成や成形の過程で生まれた偶然の表情が、静かな痕跡として刻まれています。


植田佳奈
「ヒビの石」は一度焼いた陶を砕き、その陶片を粘土に練り込んで焼いたもの。乾燥時と焼成時に収縮する粘土の性質を生かした作品です。練り込まれた陶片はすでに縮んでいるため、周りの土だけが縮み、その歪みでヒビが入ります。


皆川雄一
クリアのガラスに土と色ガラスのパウダーを混ぜたものを付着させることで、色と質感を表現した作品。ガラスは液体のような不規則さを抱えたまま固まった、ひとつの状態であり、土とガラスは多くの成分を共有しています。土は一様には溶けずにガラス化し、気泡や色を生み、ときに粒のまま残る。大地が太古から繰り返してきたガラス化の営み、そうした自然現象の断片を留めた作品です。


吉本冴秀
紙にドローイングをする感覚で、立体のドローイングとして粘土の上でイメージを指でたどり形作る。また記憶の断片を記録するように、陶に写真を転写して定着させるといった作品を制作してきた吉本さん。大事なものをしまうというモチーフとして、イメージを記録することの延長線上に生まれた陶箱のシリーズは、薪窯による火の記憶も留めています。
薪窯の焼成協力:studio knot ceramics


ma Kollektive
「obvara(オブバラ)」という12世紀頃の東ヨーロッパ発祥とされる焼成技法で作られた素焼きの作品。窯から出した陶器を、小麦粉、イースト、砂糖、水を混ぜたものに浸すことで、混合物が作品の表面に燃え移り、美しい表情を作ります。


Mari Paikkari
うねりやシワ、ひび割れのような荒々しくも個性豊かな表情を持つセラミック作品は、元々は窯が倒れて割れてしまったことをきっかけに生まれたもの。長年の研究で得た粘土の性質への理解をベースに、乾燥による自然なテクスチャーを取り入れ、焼成での変形を誘発する造作を施すなど、磁土の質感を生かした美しい作品として仕上げています。

 
展示作品:
植田佳奈(陶)
皆川雄一(ガラス)
吉本冴秀(陶)
ma Kollektive(陶)
Mari Paikkari(磁)
(順不同)

 


 
Featured Exhibition – Vestige
会場:doinel (ドワネル)  東京都港区北青山 3-2-9
会期:2026年8月 6日(木) – 8月 17日(月)
営業時間:12:00 – 19:00
※8月 11日(火・祝)は 通常営業/8月 12日(水)は臨時休業
※最終日 8月 17日(月)は 17:00閉店

◯ご来場前にご一読ください。
・状況により店内の入場制限を行い、整理券を配布する場合もございます。
・作品の購入制限を設けさせていただくことがございます。
・展示作品のお取り置き、ギフトラッピング、ご配送は承れません。
・お支払い方法は現金とクレジットカード、QR決済(PayPay)、交通系電子マネーなどがございます。

 


植田 佳奈(うえだ かな)
1992年生まれ、武蔵野美術大学にて陶磁を専攻し、現在神奈川県を拠点に活動する陶作家。土での質感表現の可能性を探る新しい陶芸を目指し、気の遠くなるような工程を経た象嵌作品をはじめ、独自の着想によって生み出された多孔質のオブジェなど、明確な用途を持たない感性的なものづくりに向き合っています。
https://www.instagram.com/uedakana_/

皆川 雄一(みながわ ゆういち)
ガラス作家、デザインディレクター。建築・空間デザインを背景に、工藝、デザイン、アートの領域を横断して制作を行い、吹きガラスの身体性や偶然性を手がかりに、道具とオブジェ、機能と存在の境界にあるかたちを探求しています。近年は、土とガラスの関係や、そこに生じる現象に着目した研究的実践に取り組んでいます。
https://www.instagram.comym_glass_art/

吉本 冴秀(よしもと さほ)
2000年神戸市生まれ、愛知県立芸術大学美術学部デザイン工芸科陶磁専攻卒業を経て、2025年東京藝術大学大学院美術研究科陶芸専攻修了。現在は東京を拠点に活動中。土と火を通して、自身の記憶や内面的なイメージを保存・記録する造形を表現の軸としています。粘土による立体のドローイング、陶に写真を転写した作品の他、大事なものをしまうというモチーフとして、イメージを記録することの延長線上に生まれた陶箱のシリーズは、薪窯による火の記憶を留めた新たな取り組みへと発展しています。
https://www.instagram.com/saho_yoshimoto/

ma Kollektive
フィンランドのハメーンリンナを拠点とする「マ コレクティブ」は、インテリア/プロップスタイリストでセラミックアーティストでもある Riikka Kälkäjä(リイッカ・カルカヤ)と、ビジュアルアーティスト Maria Haataja(マリア・ハアタヤ)による姉妹ユニット。ma は二人の旧姓Maenpaaに由来します。
異なる素材と表現を用いながらも、シンプルさと最小限の所作、姉妹という共通のルーツにより統一された二人の作品。ミニマルで無骨な美しさと、流れるような物事の進め方に長く魅了されてきたという二人は、静けさの美と北欧の厳しい自然の造形の組み合わせに興味があるといいます。作品は主に、自然や環境、自然の動きやリズム、造形言語と強く結びついた瞬間を記録したもの。環境は行為に、行為は環境に融合します。二人の仕事は、存在の追求、直感的な作業、無意識の現れ、コントロールや理性を消していくことによって導かれます。
https://www.instagram.com/makollektive/

Mari Paikkari
1983年生まれ、ヘルシンキを拠点とする彫刻家、アーティスト。環境技術、ビジュアルアート、セラミック、グラスアート、彫刻などを学び、アアルト大学にて応用美術とデザインを専攻。多感覚的な空間彫刻や独創的なセラミックプレートを制作、フィンランド国内外で展示やプロジェクトに参加。陶器の音や動きを伴う3次元の空間で体験する空間インスタレーションなど、陶芸の無限の可能性を追求し、空間における構造や形状を探求しています。
https://www.instagram.com/mari_paikkari_ceramics/

update: 2026.08.02

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