石川県金沢市を拠点に活動する陶芸作家、中田雄一(なかた ゆういち)さんによる「青釉鳥紋章マグ」です。
慣習や文化の成り立ち、その背景に関心を寄せてきたという中田さん。国や地域によって異なる感覚、時代によって生まれる認識の違いが引き出してきた美しさが、人を介して繋がっていることに面白さを感じると語る中田さの作品は、柔らかい白色やおおらかな絵付けなど、のびやかさに満ちた印象。デルフトなどの古いやきものの影響を感じさせながらも、属性や境界線を超えた根源的な美しさや温もりが宿り、説明をせずとも心を惹きつける不思議な魅力を放っています。
釉上彩/イングレイズ(釉薬の上の絵付けが、高温焼成によって釉薬の中に沈みこむ技法)に近しい手法でつくられる中田さんの器。焼成温度1000度以上の高温域で焼き上げられた作品は、美しい光沢がありながら、土の質感と、焼成することで生まれる味わいもそのまま伝える豊かな表情を持ち合わせています。
会うことのない誰かの手に届くほど、長い距離で形を保つものをつくりたいと語る中田さん。その言葉には、物理的・時間的な強度だけでなく、「手元で可愛がってもらえるものを」という、温度を持って受け継がれる純粋な価値を宿したいという思いが感じられます。
現代ではコーヒーのイメージが強い取っ手付きのマグは、中世ヨーロッパでは主にお酒を飲むための器でした。中田さんはマグに対して、歴史の中で本来の意味目的を印象が追い越すことのおもしろみを感じていると言います。そして容量分がそのまま体内に取り込まれるという、お料理が盛り付けられる器とは異なる関係性。自分専用のものとして選ばれることの多い、よりパーソナルなコミュニケーションを経て個々の手元に辿り着く存在でもあります。
手に取る人の個々の記憶に結びつき、それぞれに親しみを感じさせる佇まいの中田さんの作品。和洋さまざまな食卓にも馴染む独自の佇まいをお楽しみください。
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item details
サイズ:約 φ8 x H10 cm
素材:白釉陶器
<使用上の注意>
・食洗機◯ 電子レンジ◯
・オーブン× 直火×
・ご使用前に目止めをする必要はありません。
・食器用シリコンなどの溶剤での目止めは施していません。
Yuichi Nakata [2024.10.8 17時までの期間限定]
中田雄一(なかた ゆういち)さんは、1980年北海道生まれ、金沢を拠点とする陶芸作家。東北芸術工科大学と金沢卯辰山工芸工房にて陶芸を学び、現在は白釉と色絵を基軸に制作を行なっています。
慣習や文化の成り立ち、その背景に関心を寄せてきたという中田さん。国や地域によって異なる感覚、時代によって生まれる認識の違いが引き出してきた美しさが、人を介して繋がっていることにおもしろさを感じると語る中田さんの作品は、柔らかい白色やおおらかな絵付けなど、のびやかさに満ちた印象。手に取る人の個々の記憶に結びつき、それぞれに親しみを感じさせる佇まいです。
土の質感と、焼成することで生まれる味わいをそのまま伝える表情豊かな器たち。会うことのない誰かの手に届くほど長い距離で形を保ち、可愛がってもらえるものをつくりたいという中田さんの作品には、属性や境界線を超えた根源的な美しさや温もりが宿り、説明をせずとも心を惹きつける魅力を放っています。