神奈川県を拠点に活動する陶作家 植田佳奈(うえだ かな)さんによる「象嵌一輪挿し」です。
土での質感表現の可能性を探る新しい陶芸を目指し、明確な用途を持たない感性的なものづくりに向き合っている植田さん。
長い時間をかけて波に削られてきた石や、動物の毛並みの流れ、蚕の繭の肌理など。自然物の生成過程や、質感・形態がどのように構成されているかをじっくりと観察し、得られた気づきを作品に落とし込んで制作しています。
「象嵌一輪挿し」は、気の遠くなるような工程を経て作られる、精緻な象嵌が施された作品。
底面まで微細な線や点で覆い尽くされ、その細かさは目で追うのが困難なほど。作品ごとに紋様のピッチや形状は異なり、それぞれの質感が指先からも伝わります。
上部にあいた小さな穴には、ドライの植物や枝を生けることが可能。何も入れずに置いておくだけでも楽しめる、有機的で美しい佇まいです。
◯象嵌一輪挿しの制作方法
白くてきめ細かい半磁土を電動ロクロにて成形し、粘土が柔らかいうちに道具で線や点を刻み込みます。
全体に底面まで紋様を刻み終えたら 700度で焼成。さらに刻んだ部分に呉須と呼ばれる染付に使われる顔料を入れ、1230度で焼き上げて完成します。
◯発送日について
・こちらの商品は店舗より順次発送いたします。
通常の出荷よりお時間をいただき、発送には数日お待ちいただく可能性がございます。
ショッピングガイドに記載の出荷日とは異なりますので予めご了承ください。
・別の商品を同時にご注文いただいた場合、出荷場所により2個口となり、発送日が異なる場合がございます。
item details
素材:陶器
サイズ:
23 ... 約 φ 9 x H 9 cm
・サイズはおおよその寸法となります。目安としてお考えください。
・水を入れてのご使用はできません。植物を入れる際はドライフラワーなど、水の不要なものをお選びください。
Kana Ueda
植田佳奈(うえだ かな)さんは 1992年に生まれ、武蔵野美術大学にて陶磁を専攻し、現在神奈川県を拠点に活動する陶作家。土での質感表現の可能性を探る新しい陶芸を目指し、気の遠くなるような工程を経た象嵌作品や、独自の着想によって生み出された多孔質のオブジェなど、明確な用途を持たない感性的なものづくりに向き合っています。
自然物の生成過程や、質感・形態がどのように構成されているかをじっくりと観察しているという植田さん。動物の毛並みの流れ、蚕の繭の肌理など、極小の造形をみつめるミクロの視界から、水の中を転がってきた石から途方もない時間の積層を汲み取るマクロの感覚まで。柔軟な感受性によって生み出される作品は、自然物が持つ神秘的なありさまを、土という身近な素材によって追体験させてくれます。