journal, my favorite ○△□My favorite Ceramic Artist “Guido De Zan”

築地くんから原稿の依頼があってから何について書こうか悩んでいた時に、前号で執筆をされていた泉さんがインスタグラムで UPしていた作 家 Guido de Zan(グイド・デ・ザン)の作品を見 て、私もとても好きな作家だったので友達の輪的(笑っていいとも!終わっちゃいますね)に繋げ ていくのも面白いなぁと思い、今回は彼について書かせていただきたいと思います。
彼は 1947 年ミラノ生まれの 66 歳。大学時代は社会学を学び、障害児の教育の仕事をされていたそうです。そこから磁器の魅力にはまり1975 年からは磁器作家としての活動を開始、現在ミラノで アトリエ兼ショップを構え、精力的に活動を行っ ています。

私と彼との出会いは、今から3年程前のミラノサ ローネ。と言っても彼がサローネに出展していたわけではなく、展示会巡りをしている時に偶然見つけたお店でした。ウィンドウに飾られた切り絵 をコラージュした作品やイラスト、線画で絵付けされた彫刻のような磁器の数々は、どこか懐かしい温もりと眺めているだけで楽しい気持ちになるとても魅力的なものでした。

その日はお店が開い ていなかったので、翌日改めてお店に行ってみると白髪白ひげをたくわえたおじいちゃんが作品を作っている姿が窓越しに見えました。イタリア語は全く話せないので緊張しながら扉を開けると、「ボンジョルノー!」と予想を上回る大きな声に動揺しつつ、日本から仕事で来ていることを話すも英語は全く通じませんでした。ボディランゲージと片言のイタリア語で伝えると、ニコニコした表情で早口のイタリア語での会話の繰り返し。おそらく最後までほとんど会話は通じていなかったと思いますが、切り絵やフラワーベースなどいくつか気に入った作品を選ぶと、とても喜んでくれ、 お土産まで持たせてくれました。

翌年も同じようにお店に伺うと、お爺さんは私のことを憶えてくれていたようで、大きな手で握手をしてくれ、若い頃の思い出から(なんとブルーノ・ムナーリと仲が良かったそうです)、過去に日本でやった展示会のエピソードまで 2 時間近く話してくれました。帰り際に去年からずっと気になっていたアトリエで使われているペン立てが欲しいことを伝えると、彼は「アミーコ!」と笑顔で譲ってくれました。そのペン立ては宝物の一つとして今でも自宅のリビングに大切に飾っています。

残念ながらそれ以来伺うことはできていません が、きっと今もあの日差しが心地よく入るアトリエで作品を作り続けていることでしょう。

こうして思い返してみると、私は彼の作品はもちろん好きなのですが、人柄に一番魅かれているの かもしれません。自宅にある作品たちを眺める度 に、彼の笑顔や握手をした時の手の温もりを思い出し、なんだか優しい気持ちになります。

 

Written by:大島 忠智(IDEE Buyer & Press)

インタビュー Web マガジン “LIFECYCLING interview & photo” の企画運営を担当。また音楽レー ベル “IDEE Records” を主宰し、CD のプロデュースから DJ、執筆、USEN 放送(IDEE Records Channel D/H 46)の選曲 • 監修などを行う。

doinel journal December 2013はこちら

 

update: 2013.12.01

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